いろんなことが中止や延期になって、ガックリと肩を落とすことも少なくないこの春。私もたくさんの予定が水に流れてしまいましたが、なにより命を守ることが最優先ですから、これはもう落ち込んでいても仕方ないぞ、ということで、世界がにっくきウイルスに打ち勝つ日が来た時に備え、コツコツと準備だけでもしておこう。そう前向きに考えることにしました。
そんな準備の1つとして、今一番ワクワクしながら進めているのが、新型「フィット」でのJoy耐チャレンジです! Joy耐とは、ツインリンクもてぎで行なわれる真夏の7時間耐久レース。これに、モータージャーナリストで結成したレーシングチーム「TOKYO NEXT SPEED」が、2モーターとなった新型フィットをマシンに迎えて挑戦しようという計画なのです。
TV-CMなどで見た人も多いと思いますが、新型フィットはスペック至上主義を捨て、とにかく乗る人が「心地いい」クルマを目指して生まれ変わりましたよね。グレード体系も見直されて、ヒエラルキーをつけるのではなく、いろんなライフスタイルに合うようにというバリエーションがラインアップされていて、これまであったスポーツグレードのRSも撤廃されてしまいました。
でも、開発に携わった研究所のエンジニアたちに話を聞くと、だからといって決して「走りの楽しさ」を捨てたわけじゃないんだよ、というのです。これまで通り、いやもしかしたら2モーターのハイブリッドを手にいれたことで、これまで以上に走りの楽しさは追求できているかもしれない。それが本当にそうなのか。走って楽しいフィットを求める人たちに本当に受け入れてもらえるものなのか。それを、ぜひJoy耐で試したい。そんなきっかけでこのプロジェクトがスタートしました。
そこでまず、何はともあれ急ピッチで進められたのは、サーキットを走るために最低限必要な装備を付けてもらうこと。マシン製作は栃木県宇都宮市にあるショップ「ターマックプロ」にお願いして、私もその様子を覗きに行って来ました。作業は、安全確保のためにロールバーを装着したり、耐久レースは燃費のよさも重要なカギとなってくるため、内装を剥がして軽量化したり、といったところがメインです。
作業スペースに置かれていた新型フィットと対面すると、すでに試乗会で見た姿とは別人のような姿に(笑)。「ありゃ~、何にも付いてないよ」とビックリするやら感心するやら。作業を担当してくださったターマックプロの川口さんは、これまでにたくさんのクルマをレーシングカーにする作業をしてきていますが、見たことがないくらい新型フィットはシッカリと造ってあって、防音材や溶接などもコンパクトカーでは考えられないほどの高レベルな作り込みで驚いた、と言っていました。外から見ただけでは分からないところだけに、こうした話が聞けるのも面白いですよね。
ウマ(リジットラック)に載せられた状態のまま、ブリッドのバケットシートが付いた運転席に座ってみましたが、試乗会で感じた以上のパノラマ視界にただただ圧倒されます。Aピラー、ほんっとに細い!(笑)。これはサーキットを走る上でもメリットになるでしょうね。とくにJoy耐は約90台が一斉に走るレースなので、周囲のマシンの動きを把握することがクラッシュを避ける上で欠かせない。なので、これはよさそうです。
わがチームは、初代フィットから歴代のフィットでJoy耐にチャレンジしてきたメンバーもいるので、この最新のフィットで走る7時間がいったいどうなるのか? どんなよさがあってどんな弱点が出てくるのか? ドライバーには優しいのか、厳しいのか? いろんなことが本当に楽しみです。私はチーム代表兼マネージャーとしての参加なので、そのあたりは橋本洋平がレポートしてくれると思います。どうぞ、新たなチャレンジの顛末にご期待ください♪
Car Watch,まるも亜希子
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April 01, 2020 at 10:00PM
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