<アスリートの現在地(下)>
9月5日、ドイツのハンブルクで行われたトライアスロンの世界選手権。レースナンバーと選手名、出身地がアナウンスされると、マスク姿の上田藍(ペリエ・グリーンタワー・ブリヂストン・稲毛インター)はスタートラインへ向かっていく。スタート付近に用意されたごみ箱にマスクを捨て、レースが始まった。
「重い雰囲気はなくて、競技前にみんな並んだときに『マスクしているね』とジェスチャーしたり、変化さえも明るく楽しんでいた。レースに出られる喜びがありました」
◆4大会連続で五輪出場狙う
新型コロナウイルス感染拡大後、五輪競技で初めて開催された世界大会。約30カ国・地域から選手が集まった。4大会連続五輪出場を狙う36歳の上田はコロナ禍で「新しい形」のレースを体感した。
ドイツが発行する必要な書類を整え、日本でPCR検査を受け現地へ。主催者に「陰性」の証明書を提示し、レースナンバーを受け取った。以前なら選手が集まって行われた競技説明会はオンラインで実施され、コースの試走は一斉ではなく、少人数に分けられた。スイムの練習で室内の水泳場に入れるのは10人まで。試合会場の敷地内ではレース中以外、マスク着用が義務付けられる。主催者は徹底したガイドラインを作り、選手はそれに従った。
大会後、上田は欧州に残り、「飛行機だと感染リスクもある」とレンタカーで国境を渡ってチェコへ移動。13日、ワールドカップ(W杯)カルロビバリ大会に出場した。世界選手権のガイドラインに沿って行われ、この2大会で混乱はなく、陽性者も出ていないという。「コロナ禍のモデルケースとして役立つようにできればいい。たくさん情報収集して、日本に持って帰りたい」
◆「順応する力 大切になってくる」
上田はチェコからオーストリアの合宿を経て、10月10日のW杯アルツァケーナ大会(イタリア)に出場し、約1カ月半の欧州遠征を終える。
「今後、コロナ対策の情報が更新されてガイドラインも変わっていくかもしれない。選手は普段通りに行えないというのはリズムが狂うけど、『あっ、変わったんだ』と気持ちを落ち着かせ、その都度、順応する力が大切になってくると思う」
コロナ禍では、大会中に何が起こるか分からない。しばらく試行錯誤が続くだろう。選手は調整力や強さだけでなく、臨機応変な対応力と揺るがぬ心が問われてくる。
(この連載は、磯部旭弘、森合正範が担当しました)
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